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1973年東京生まれ原宿育ち。 ![]() カテゴリ
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待望のトイ・ストーリー4を観たので、感想をお伝えしようかと。 感想といっても、映画の内容についてというより、映画を見て個人的に感じたことです。 とはいえ、当然結末を含めたストーリーについても触れることになるので、まだ映画を観ていない人はネタバレになるので気をつけて。 というわけで、トイ・ストーリー4 衝撃の結末が賛否両論を呼んでいたりもするようですが、僕が衝撃を受けたのは、むしろオープニングでした。 とにかくCGが綺麗!リアル! トイ・ストーリーシリーズは1・2・3と、回を追うごとに技術の進歩と共に映像が進化していったのも印象的な作品ですが、3から4のこの9年間の進歩は特に目覚ましく、キャラクターもそうですが、背景の木々や町並み・空気感が、もう実写じゃないかと思うくらいリアルになってて、そこでもう、ウルっと来ちゃいました。 ウォルト・ディズニーがアニメーションで始めたのは”キャラクターに命を吹き込む”作業です。 平面に描かれただけだったキャラクターにアニメーションという形で動きを与え、蒸気船ウィリーではトーキーフィルムとして声を与え、シリーシンフォニーでフルカラーになり更に自然に近づけ、世界初の長編アニメ・白雪姫ではより複雑なストーリー性や性格を加えるなど、最初はただの白黒で平面的な動きをしていたアニメを、よりリアルなものへと変えて行ったのです。 バンビで、よりリアルな動物の動きを研究するために、スタジオに本物の動物を飼い、まるで動物園のようになったというエピソードも有名ですし、ピノキオではマルチプレーンカメラを開発して映像に立体的な奥行きを加えるなど、装置そのものの開発も行ってます。 さらにはディズニーランドを建設し、それまでは2次元の世界にいたキャラクターを、本物の3次元の世界へと活躍の場を広げさせます。 ディズニーランドのアトラクションでは、オーディオアニマトロニクスという技術を使い、まるで本物の人間や動物のように動くキャラクターを生み出しますが、それらも全て、ウォルトの”キャラクターに命を吹き込む”という思いが具現化していったものです。 ちなみに僕は小学校4年の時に、出来たばかりの東京ディズニーランドのカリブの海賊に乗って、あまりにリアルな動きの海賊たちに、子供心に「これ、ほんとに生きてるんじゃないか?」「僕らが見てない時に人形同士で話したりしてるんじゃないか?」なんて思ってました。 (人形がほんとは生きてて人が見てない時に話してるって、まさにトイストーリー!) というわけで、トイストーリー4ですが、オープニング1分くらいの時点で、そんなディズニーの歴史を走馬灯のように考えさせられたくらい、とにかくリアルだった訳です。 だから ついにキャラクターに本当に命が吹き込まれた! と思ったのです。 それと同時に、気になることがありました。 それは、先ほども書いたとおり、背景の木々がほんとにリアル過ぎるのです。 ちょうど、もうすぐ公開されるライオンキングが超実写版と呼ばれていたり、先日公開されたアラジンもやはりどこまで実写でどこからCGか分からないくらいでしたが、とにかくCGの技術が完全にリアルな世界を描けるところに来たんだなと。 しかし、キャラクターの魅力は、よりリアルにより自然に近づきさえすれば良いわけじゃありません。 絵だからこそのビビッドな発色や、CG特有の光沢感、人間にはできない動きなど、キャラクターがあくまでキャラクターだからこその魅力は沢山あります。 おそらくピクサーの製作者もそこにはかなりの時間をかけて、どこまでキャラクターをリアルにするか、どこまでCGキャラクターとしての魅力を残すかという部分を、丁寧に考えたんだろうと思います。 オープニングのあまりにリアルな背景に対して、おそらく我々のことを考えて、逆にまだキャラクターとしてのおもちゃ感みたいのを絶妙に残しているウッディを見て、ふと 「もうウッディを独り立ちさせてあげていいよ」 と、この時点で結末のことを思っちゃったんです! すでにウッディには命が吹き込まれて、ひとりで生きていけるのに、僕らの前ではなんとかおもちゃを演じてくれてるように思った訳です。 (カリブの海賊の海賊たちも、やっぱり閉園後には自由に動いてるかもしれません!) これだけのことを開始1分で考えさせる、秀逸なオープニング。 これだけでトイ・ストーリー4を観に来た甲斐があったと納得してしまいました。 (特に雨のリアルさもすごく、あれはダンボのオープニングの雨のシーンへのオマージュかと深読みしてしまいました。) トイ・ストーリー1の日本での公開は、僕がホフディランとしてデビューしたのと同じ1996年。 世界初の長編フルCGアニメ作品だった訳ですが、そこから20年以上の間に、続編やスピンオフ、キャラクターグッズ、ディズニーリゾートでのアトラクションなどなど、トイ・ストーリーは完全に僕らの生活の一部になった訳です。 今の若者からしたら、ウッディもバズも、それこそ生まれた時からいるキャラクター。 1・2・3を通して、もうすっかり1つの人格を持った存在として認識しているはずです。 その現実が、この映画の深い面白さだと感じました。 シリーズ3までは、ウッディはおもちゃとしての生き方をつらぬき、常に子供、特に持ち主に対しての忠誠を誓います。 そんなウッディがついに誰かのおもちゃではなく、自分自身として新たな旅へと出る。 ここに、僕らは多少なりショックを受ける訳ですが、ショックを受けるということは、それだけウッディに感情移入しているということ。 1・2・3を通して、僕らはすっかりウッディたちキャラクターを、もうただのキャラクターではなく、家族の一員や友達のような、一つの性格・人格を持った存在として見ている訳です。 だからこそ、結末に動揺するんです。 そこまでの思い入れがなかったら、べつにおもちゃが旅に出ようが出まいが、どんな結末でもすんなり受け入れると思うのです。 観る人それぞれが、結末に(それこそ賛否両論と言われるほど)様々な感情を抱く、それ自体が、キャラクターに命が吹き込まれているということの証明だと思うのです。 だから僕は観終わった時に、大げさではなくウォルトの顔が浮かんだんです。 (そしてもちろんジョン・ラセターとスティーブ・ジョブスの顔も) ウォルトが紙とペンから始めたことが、時を経て、CGという最新技術と出会い、遂にここまで来た!と。 ウォルトさん、ついにあなたの夢が現実になって、本当にキャラクターに命が吹き込まれましたよ! ついにキャラクター、自分の意思で旅に出ましたよ!と。 それは現実社会のAIの進化や、ジョブスが世に出したスマホの進化、SNSによるコミニケーションの変化などとも重なるところがありました。 もう2次元かリアルかとか、アナログかデジタルかなどの単純な分け方では分けられない、新しい世界に突入したんだなと。 もしウォルトが今の時代に生きていたら、はたしてどんな映画やエンターテイメントを作っているか分かりませんが、最先端の技術で、常に新しい作品を生み出したウォルトのことを思わずにはいられない作品、それがトイ・ストーリー4でした! 以上、僕がトイ・ストーリー4を観て感じたちょっと長い感想、最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。 小宮山雄飛
by yuhiblog
| 2019-07-30 17:59
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